これまで約30年にわたり、CGIは日本における“初めて”の挑戦をたくさんしてきました。私たちは、初めて米国病理学会(CAP)の認定事業を日本に導入しました。それ以来、日本のたくさんの臨床検査室が8,000を超える世界のCAP認定検査室の仲間入りをする姿を見てきました。そして、私たちは初めてCAPの外部精度管理調査(技能試験、proficiency testing:PT)の日本語版を提供し、日本の100機関を超える検査室が全世界約23,000機関の参加者の一員となりました。さらに、私たちはTUV SUDと共同で日本に初めてISO15189認定事業を導入し、その後、日本適合性認定協会(JAB)のISO15189認定事業をサポートしてきました。それらの結果、現在では日本の約120機関がISO15189認定を取得するに至りました。
これらの経験に基づいて、私たちはDIY(Do it yourself )ソフトウェアの開発を手掛け、LEAPを完成させました。LEAPは私たちがサポートできる検査室の数を飛躍的に増加し、さらに私たちのサービスを拡大し、その品質を向上させています。LEAPはISO15189およびCAP認定のサポートをするプログラムで、検査室が品質マネジメントシステム(Quality Management System:QMS)を構築し、効果的に維持するためのステップバイステップのアプローチを提供しています。
もう一つの新しい挑戦として、クラウドベースのソフトウェアプログラムを新しい領域に投入し、完全なDIYソフトウェアを開発するための効果的な方法を考え、改良を続けているCGIのスタッフに日々驚かされています。そして、グローバルな品質水準を追求する検査室を懸命にサポートするというミッション達成に向けて、私たちはこれまでにない大きな一歩を踏み出しています。
そのほか、「臨床検査室グローバルニュース」の発行も、臨床検査に関連したグローバルな知識を日本の検査室に日本語でお届けする初めての試みでした。さらに病理医の診断技能の維持・向上をサポートするCAPの継続学習プログラムPIP(Performance Improvement Program)の日本語版も提供しています。また、今日のようにインターネットが普及する前から、臨床医や臨床検査技師向けに学習管理システム(Learning Management System:LMS)を用いた個人学習用教材を提供してきたことも、日本では初めてのことだったかもしれません。
最初は突拍子もない発想だと思われたかもしれませんが、私が新しいアイデアを思いついたときに多方面でサポートしていただいた方々にお礼を申し上げます。私たちのミッションをサポートしていただいた日本臨床検査医学会、日本病理学会、日本臨床衛生検査技師会には特別の感謝を申し上げたいです。また、私たちのソフトウェアの普及や「臨床検査室グローバルニュース」のスポンサーとしてサポートしていただいてきた自動分析機・試薬メーカーにも感謝しています。そして数十年にわたり日本の検査室をサポートしていただいたCAPには感謝の言葉もありません。CAPは世界中の検査室をサポートするためにボランティアの査察官が時間と知識を惜しみなく提供する非営利団体です。
日本の臨床検査室の未来は明るく、CGIは検査室のグローバルなベストプラクティスに向けたQMS構築・維持に少しでも役立つ存在となり、患者への高品質の医療の提供に貢献していきたいです。
Yours truly,
Chairman